ドキドキ同居しています
「ありがとう、蓮。すごくうれしい!」

「瀬名に会うときは、必ずつけろよ?」

「うん!」

「それに……この指輪は、男避けって意味だけじゃなくて、茉莉香が好きだって意味も込められてるから……俺がいつも茉莉香を想ってるってこと覚えていて……?」

「……蓮! 私も、いつも蓮のことばかり想ってる!……誰よりも好きだよ……」

「茉莉香……」


蓮の手が私の頬に触れて、蓮の王子様のような端正な顔が近づいてきて。


蓮のやさしいキス。


蓮……これからも、私だけを見ていて。

ずっと私を好きでいて……。


蓮の唇を食べるようなキスを返す。

蓮が私のキスに同じように応えて。

舌をからめあう。

蓮の首に腕をまわして、蓮の唇をさらに求める。


私に夢中になって……蓮……。


蓮の甘くてやわらかい舌の感触にすごくドキドキして。

頭の中がしびれて、とけそうで、体の力が抜けてゆく。


蓮が私の腰に手を添えて、

そっと唇を離して、見つめ合う。


蓮の瞳には、欲望が揺らめいているような気がした。


「茉莉香……あんまり煽らないで……。茉莉香のこと、大事にしたいのに……」

「ずっと……私を愛してくれる……?」

「……あたりまえだろ……」


これから先、私たちがどうなるかなんて分からないのに、どうして私は、こんなに蓮に約束させたいんだろう……。
こんな約束させても、重いって思われるだけかもしれないのに……。


昔から蓮がモテ過ぎるから、いつも訳もなく心配になる。

こんなことで繋ぎとめられるわけないのに。

蓮を信じるしかないのに。


「蓮……」

蓮を抱きしめる。

ずっとあなたと一緒にいられますように……そう願いながら……。
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