ドキドキ同居しています
お兄ちゃんが好きだから。

私だけのお兄ちゃんでいてほしいから。

喉まで出かかって、言えない言葉をむりやり飲み込む。



兄妹じゃないといけないと思ってて。

この気持ちを伝えてはいけないと思って。

耐えきれず、涙がこぼれた。



お兄ちゃんの手が、ゆっくりと私に向かって伸びてきて、

親指で、やさしく涙をぬぐってくれる。



そのまま、引き寄せられて、抱きしめられる。

お兄ちゃんのぬくもりに、心が安らいでゆく。

このぬくもりを誰にも譲りたくないと、心が叫んでいた。
< 21 / 179 >

この作品をシェア

pagetop