夏色のアネラ
*第1章*
▷灰色の日々
「………だっる」
午後の体育。
授業内容が急遽マラソンに変更された悲報につい溢れたのはこの一言。
俺、桐山昴は、誰にも気づかれない声でまた呟く。
「………帰りて」
7月。
青い空と、近くで波打つ海の音が夏を感じさせる、そんな日。
校庭では、我が2年8組と隣のクラスの7組の男子がうろうろしてる。
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