永遠に叶えたい愛がある。
「千曲(チクマ)先輩!」
後輩からパスを受け、いざシュート!
方向転換をし、グラウンドの土が靴の底の回転によりザッという音を奏でる。
グラウンドバスケのこういう音が私は好きだったりする。
ゴールへ向かったボールは弧を描いて、パスッと音をたてて下へ落ちた。
「いやー、やっぱ紗英は女だけど敵わないわ~」
敵チームの同級生の部員に肩を叩かれた。
「千曲紗英と言えば巷バスケット会では有名だもんな」
勇人が私の肩を抱き、頷いている。
「茶化さないでよ」
そう言って私は勇人の手を振り払った。
こういうのは慣れていて勇人が嫌なわけではないけど、どうしても最近なんだか受け入れにくい。
これが思春期?
「なんか紗英ちゃん冷たーい」
勇人は唇を尖らせ、頬を膨らます。
ほんとこいつは。
なぜ、こんなはにも可愛いんだ。
私なんかよりもほんとに。
「うわー、勇人まじ女の子だなあ」
なんて雄先輩も。
いやーそれほどでもお
と片腕で後頭部を掻きながらにやける勇人。
いや。お前は男だろう。
それでいいのか。
なんて思ったりもする。
「マジだな。チクワと性別逆だよな」
聞きなれない声が背後から聞こえた。