永遠に叶えたい愛がある。
拍手で迎えられるギター部。
整列して用意されたステージ上のパイプ椅子へと向かう。
椅子に座ってからアリーナを見渡すと、たくさんの生徒たちが私たちを見ていた。
その瞬間、心臓が跳び跳ねるように動き出す。
き、緊張する…
ギターを持つ手が小刻みに震えた。
50人の中の一人でしかないけれど、アコースティックギターだって間違えてしまえば目立ってしまう。
大丈夫だろうか。
実行委員の仕事が忙しくても、練習だけは手を抜かずに一生懸命やったつもりだ。
家にギターを持ち帰って夜中まで練習もした。
大丈夫、大丈夫。
深呼吸してからギターを膝に乗せた。
指揮者である顧問が真ん中に立ち、アリーナに向かい一礼する。
私はふと視界に入った2階を見上げた。
真ん中に座っていた宗平が、立ち上がって柵にもたれ掛かっている。
少し遠目だけれど、目があっているような気がした。
大丈夫だ、がんばれる。
指揮棒が上がり、斜めに振られた。
私にとって初めての演奏が始まる。