永遠に叶えたい愛がある。
「お疲れ様~」
体育館を後にし、控え室に戻った部員たちがすれ違い様に同じ言葉をかけていく。
一曲約4分。
合計15分の長いようで短かった演奏は無事に終了した。
緊張はしたものの、始まってしまえば観衆の目は気にならなくなり演奏に集中でき意外とできるものなんだなと実感。
演奏はとてもいい形で終えることができたと思う。
控え室のパイプ椅子に座り一息吐いた。
手足をぐんと前に伸ばす。
初めての公演に安堵し思わず笑みが溢れる。
バスケの試合とはまた違う充実感。
なんとも言えない達成感。
音楽に携わるって今までイヤホンで音楽を聞くことくらいしかなかったけれど、誰かに聴かせる音楽も素敵だ。
「じゃあ千曲さん、あと戸締まりよろしくね」
「はい!」
気づけば他の部員はギターをケースにしまい、控え室を出ていた。
一人になった私はもう一度息を吐き出す。
「ふーーー。終わったーー!」
入部してから約3か月。
学園祭に向けて必死に練習してきたが、ギター部の本番はここで終わらない。
基礎は身に付いた。
次はコンクールに向けて課題曲と自由曲の練習だ。
息を吐けるのは今のうち。
学園祭が終わったら少しの間、頑張った自分に休息を与えてあげよう。