永遠に叶えたい愛がある。
「ここって意外と穴場だよな」
「そうだね。いつも人あまりいないよね」
何度か宗平と時間を過ごした外通路のベンチ。
真夏に近い夏の日差しを浴びながら、体育館から聞こえてくる音を聞く私たち。
「暑いけど、これがまた気持ちいいんだよな」
そう言うと宗平はベンチに脚を乗せ寝転がる。
「枕欲しい」
そう聞こえたかと思うと腰辺りを引っ張られた。
「え、私!?」
ベンチの上を少し滑ると、宗平の顔が真下に。
「よだれ垂らすなよ」
俗に言う、膝枕と言うやつだ。
「た、垂らさないよ」
下を向くと宗平の顔がいつも以上に近いところにある。
またもや心臓が跳び跳ねる。
ステージ上での緊張とは全く別物。
「手はふにふにのくせに、足は堅いな」
だったら退けばいいのに。
文句を言いつつも宗平はそのまま目を閉じた。
「チクワー」
「ん?」
体育館から聞こえてくる音楽を目を閉じて聞く。
夏の日差しに少し感じる爽やかな風。
「学祭終わったら寂しくなるな」
意外な言葉に私は目を開いた。
「え?面倒だったんじゃないの?いろいろと」
下を向くと相変わらず目を閉じている宗平。
寂しくなるななんて宗平には似つかわしい言葉だ。
「お前と一緒で楽しかったよ」
思わず口角が上がる。
…うん。
私も同じこと思ってたよ。
きっと同じ実行委員じゃなかったらこんな風に過ごすことは絶対になかったし、宗平のことを好きになることもなかった。
「私も楽しかったよ」
心からそう思うよ。
宗平が、好き。
そんな言葉じゃ足りないくらい。
今この気持ちを言ってしまったらどうなるだろうか。
なんて言ったら良いんだろう。
告白ってこのタイミング?
女の子から告白ってするものなの?
初めてのことだらけでどうしたらいいのかわからない。
唇を強く噛み締めた。
言ってしまいたいけど、怖い。
「俺さ」
口を開く前に宗平から聞こえてきた言葉に
周りから聞こえてくる全ての音が聞こえなくなったーーーーーー