永遠に叶えたい愛がある。
学園祭2日目、昨日に比べて今日は少し雲がかかった日。
気づけば学園祭も残すところ数時間となった。
外からは色々な声が聞こえてくる。
そんな中、私と宗平は他の生徒が外での催し物を楽しんでいるのを他所に、最後の締めくくりである後夜祭のキャンドルサービスの準備をしていた。
「チクワ、そっち足りるか?」
「うん。大丈夫」
リハーサル通りに1000個以上のグラスを並べる。
なんて冷たい人たちなのか、私たち以外の実行委員は半分ほど手伝うと皆外へと行ってしまった。
まあ、外の裏方をしているから仕方ないんだけど。
クーラーをまだ効かせていない体育館は蒸し暑くて、少し動くだけで汗が出てきた。
「やっと終わりが見えてきたね」
首に巻いたタオルで汗を拭きながら最後の段ボールを開ける。
「俺これやっとくから、水分補給してこいよ」
私の手から段ボールを取ると、宗平がそう言った。
「…うん、ありがとう」
かなりの汗をかいて丁度喉が渇いたところだった。
体育館の隅に置いてある鞄から財布を出し、急いで自動販売機へと向かう。
宗平も喉が乾いているに違いない。
自動販売機で2本飲み物を買いダッシュで体育館へと戻った。
「宗平、飲み物買ってきたよ」
アリーナへ入り、ステージ横の外に通じるドアの所に見えた宗平に向かって叫ぶ。
「チクワ、はやく来い」
そう聞こえて大きく手招きする宗平に向かって私は走った。
一体何なんだろうか。
「どうしたの?」
ドアに寄りかかり外を見ている宗平に辿り着くと、宗平は顔を動かし外を見るように合図してきた。
「…あ!」
外にいる生徒たちを見ると、丁度フォークダンスを行っているところだった。
そしてよく見てみると、目の前にはなんと勇人と早希の姿が。
「うわー、踊ってる」
ふふふと自然と笑みが溢れる。
早希から誘ったのかな。
後で話をじっくり聞いてやろう。