永遠に叶えたい愛がある。
親友の助言
「紗英!紗英!」
ただただ泣くしかなかった。
止めどなく流れる涙は地面へと痕を残す。
後夜祭のフィナーレの音が響いてても私には全く聞こえるはずがなくて、遠くから呼ばれている声にも気づかなかった。
「紗英!」
強い口調が聞こえると同時に体が大きく揺れる。
肩を揺らされて、やっと呼ばれていることに気づいた。
「早希…」
「やっぱりここにいたんだね」
早希が私を覗いては安堵の表情を浮かべる。
「谷岡先輩がたぶんここにいるだろうって教えてくれた」
左右をちらりと見渡すと見慣れた景色。
知らぬ間に私は外通路のベンチに座っていた。
早希の顔を見た瞬間にさらに溢れる涙。
早希が頭を優しくポンポンと触れる。
「そ、そう、へいが…」
「うん」
嗚咽混じりの声が喉元から出てくる。
上手く話すことができない。
「い、なくなっ…ちゃうよ…」
早希は私の隣に腰かけると私の肩を引き寄せた。
「うん…」
どうして。
あんなにも楽しくて、心が踊るような日々を過ごしてきたのに。
神様は意地悪だ。
私の初めての恋をこんなにも辛いものにするなんて。
「紗英…今は話さなくていいから」
泣きたいだけ泣いて。
「う、わぁーーーーーーー」
早希がそう付け加えると私は子供のように声をあげて泣いた。