永遠に叶えたい愛がある。
「へえ、そんなことがあったんだ」
昼休み、早希と屋上に出て昼食。
昨日までの一部始終を話終えると、早希がにんまりと笑った。
「恋愛初心者の紗英がキス、ねえ」
「あ、ちょっと」
“キス”の部分を強調する早希。
私は慌てて周りを見渡した。
何組か屋上で過ごしているが、私たちの会話に誰一人として反応しておらず、ほっと一息。
「でも、よかったね。両想いだったんだ」
「え?」
早希の言葉に違和感を覚える。
「え?って想い伝えたんでしょ?」
そう言えば。
“好き”って言ってないし、宗平からも聞いてもいない。
「伝えてない…」
そう言うと、早希の顔が急に真顔になった。
「はあ?」
「なんか言うタイミングがなかったって言うか、そんな言葉が出てこなかったって言うか…」
雰囲気は抜群に良かったし、手も繋いだし、なんなら家まで送ってくれたけど。
急に不安に駆られた。
私たちって両想いなんだろうか。
今どういう関係?
「今すぐ伝えてこい!!!」
背中に衝撃が走った。
早希の平手打ち。
「は、はい!」
その勢いに負けて慌てて立ち上がり、気づいたら私は走っていた。