永遠に叶えたい愛がある。
決戦の日
その週の日曜日。
北高男子バスケ部のインターハイ出場をかけた試合が行われた。
私と早希が足を踏み入れた会場には異変が起きている。
今までの全試合、2階席を埋め尽くしていた北高女子生徒が半分以下までになっていた。
「結局、谷岡先輩は退部したんだね」
横に座っている早希が呟く。
「…うん、そうみたい」
数日前、雄先輩と外通路で話した日から宗平は一度も学校へと登校することはなかった。
「紗英に何の連絡もないの?」
「うん…」
あれから携帯に何度か電話をかけてみたが、宗平は電源を切っている。
学園祭2日目のあの日。
あの日は一体なんだったと言うのだろう。
幻だったのかとすら思える。
昨日、雄先輩から宗平が顧問に退部届けを出したことを聞いた。
雄先輩には宗平から何の相談もなかったと言う。
それは確実に宗平がいなくなることを意味していた。