永遠に叶えたい愛がある。
ピーーーーー
機械音の合図で選手たちが真ん中へ集まってきた。
第4ピリオドが始まる。
「このままじゃダメだ」
そう言って早希が急に立ち上がった。
「行くよ」
私の腕を引き立たせると、階段を駆け下りる。
数人の女子生徒の横に立ち、早希が柵の上に肘を付いた。
「北高行けーーーーー!!」
その場にいた全ての視線が早希に集中する。
早希の小さな体から思いもよらないボリュームで出た声。
少し間が空いてから、
「がんばれーーーーーーーー!」
他の女子生徒たちも大声を張った。
そうだ。
今、北高に必要なのはいつものエール。
宗平がいなくたって強いはずのチームが敗北なんてありえないんだ。
応援なんかでどうにかなるかなんてわからないけれど、私たちに今できることはこれしかない。
「行けーーーーー!!」
私も腹の底から多きな声を出した。
その瞬間、相手が投げたボールを雄先輩がカット。
そのボールが勇人にパスされ、相手選手の間をすり抜ける。
「勇人ーーーーーーーーー!」
早希の声が体育館に響いた。
勇人の手から離れたボールがゴールを通過。
その瞬間、今日最高の拍手が沸き上がった。
これは、行けるかもしれない。
試合が始まったときとは違う声援に、選手たちの動きが変わったように見える。
声援もどんどんと大きくなり、人数が少なくてもいつものようにエールで体育館がいっぱいになった。
次々に北高の部員がボールを手にし、ゴールを決めていく。
早希、あんたすごいよ。
早希の力で選手が動いたんだよ。