永遠に叶えたい愛がある。
電光掲示板が残り10秒を示した。
ピーーーーー
審判の笛の合図で相手の選手がフリースローラインに立つ。
「え…どういうこと?」
早希が言った。
「ファウルだよ」
相手の選手がボールを放つと見事にフリースローを決める。
「あと8秒しかない…」
電光掲示板にはそれと、54ー54の文字。
よくここまで追い付いたと思う。
それは、ここまでの実力が宗平以外にもあったということ。
「大丈夫…」
不安な表情を浮かべる早希の肩に私は手を置いた。
見事に2本目のフリースローも決められてしまい、2点差。
残り5秒が示されたところで、北高選手が立つエンドラインからボールが放たれた。
それを雄先輩が受け取り勇人に渡り、
その手からボールが弧を描いて飛んでいく。
私は手を組み目を瞑った。
その瞬間、誰しもが同じことを願っていたと思う。
北高全員の気持ちが一つになっていた。