永遠に叶えたい愛がある。

さよならとまたね







ケガは打撲程度で済んだ。






歩行者用の信号が赤になっていて、交差点に入ってきていた車がぶつかりそうになった時に、それに気づいた私は意識をなくし自ら転んだらしい。






倒れたことのおかげで車に接触することはなかったと通行人が言っていたそうだ。







なんとも恥ずかしい状況だ。






そのときに地面に頭を打ったようで、一応念のために2日間の入院を要した。














「紗英、ごめんね」






その日の夜に早希が血相を変えて病室へ飛び込んで来てはそんなことを言う。






早希が全く責任を感じる必要はないと言うのに。






「早希のせいじゃないって!心配かけてごめんね」






頭に巻かれた包帯を早希が涙をいっぱいに溜めた目で見つめる。








「それよりも、勇人とどうなってんの」






ベッドヘッドをあげてもらい座位姿勢を取れるようになった私は早希の肩を叩いた。






「そんなことよりって、紗英のが大事だよ!」








バカーーーと付け加えてついに涙を溢す紗英。







早希は今日泣いてばっかりだな。




って私のせいか。







「…宗平がね、いたんだ」





そのときの状況を私は話した。






後ろを追ったことも、ここまで宗平が付いてきてくれたことも。





「え…谷岡先輩が?」





「うん、意識なかったんだけどね」





早希が目を大きく開く。





「じゃあ話せたの?」





私は首を横に振った。





「目が覚めたときにはもういなかった。宗平かもわからないんだけど…でもね、ずっと名前を呼ばれてたんだ。それだけはわかるの」







「そっか…」







ガラガラとドアが開く音とが聞こえて来た。





二人でその方に向く。






「なんだ、元気そうじゃん」






そう言いながら入ってきてたのは勇人だった。





「あったりまえよ」






宗平に会わずしてくたばれるかっての。














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