永遠に叶えたい愛がある。





どうしようかとか何を聞こうかなんて多すぎてまとまるわけなんかなくて。





気づいたら日曜日が訪れていた。


 




「いつも雨なんか降ってなかったのにな」






宗平と会うときに曇り空はあっても雨が降っていたことはなかった。





勝手に相性がいいのかもなんて思っていたけれど、そんなことはあり得なかったみたいだ。





7月も中旬に差し掛かり、もうすぐきっと梅雨も明ける。







傘に当たる雨の音が周囲の喧騒を消していた。





意外と嫌いじゃないこの音に耳を傾ける。





雨音のリズムが聞こえてくるようで急にギターが弾きたくなった。





夏休み中にあるコンクールの課題曲を思い出す。





自然とメロディーが鼻から流れ出た。







「何の曲だ?」


 


ぐいっと傘が引っ張られる感覚と久しぶりに聞く声に心臓が跳び跳ねる。





「びっくりしたー」





その方を向くと会いたくて会いたくてどうしようもない人が笑顔で立っていた。






「すっげえ顔」




「宗平…」




今は何を言われたって怒れる気がしない。





心の中が空っぽになりかけていたのに、一瞬で溢れだした。






「…会いたかった」






勝手に頬を伝う涙。






私がずっと思っていたことを先に口にしたのは宗平だった。







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