永遠に叶えたい愛がある。
「俺、おまえのこと泣かせっぱなしだな」
そう言って私の頬を包む片方の手。
半袖から延びる腕に雨が当たっている。
私は自分の持つ傘を手放すと宗平へと近づいた。
とにかく近くに行きたくて、人目も憚らず宗平の胸に飛び込む。
「ばか…」
会ったら最初に怒ってやろうって思っていたのに。
そんなの顔を見た瞬間に吹き飛んでしまった。
宗平の腕が私の肩を包み込むように触れる。
愛しさで溢れるとはこういう気持ちを言うのだろうか。
ぶわっと身体中を熱くするこの何か。
宗平といないと味わうことのできないこの感情。
「私も…会いたかったよ」
雨の音が私たちだけの世界を作る。
全てを忘れさせてくれるかのように。
まるで二人きりしかこの世に存在しないかのように。
時間が止まって欲しかった。
ずっと宗平といたかった。
このまま幸せでいたかった。