永遠に叶えたい愛がある。





「わるい…そうだな」





宗平はおしぼりで目元を拭くとゆっくりと顔を上げた。




少し水分を残した赤くなった目を向けられる。








それを愛しいと思った私は罪でしょうか。










何から話したらいいのかわからなくて、とりあえず一口コーヒーを啜る。







「…そういえば、宗平がバイトしてたのって喫茶店?」





唐突にそんなことを思い出した。




バイトをしているって初めて聞いたときに想像したのが喫茶店でそれをいつか聞こうと思っていてずっと忘れていた。






「ほんとお前って突拍子もない…」





宗平はそう言うと少しはにかむ。





突拍子もなくてよかった。





宗平のこの顔が見れるだけで私も笑顔になれるんだ。





「ガソスタだよ」





私の頭のなかで喫茶店で働いてる宗平がボンっと消えて、キャップを被って車のフロントガラスを拭く宗平が現れた。





「はずれ、ガソリンスタンドかー」






でも、それもまたいいかもしれない。







よく考えたら私、宗平のことあまり知らない。






もっともっと知らないことたくさんあるんだよね。











「連絡しなくてごめんな」







私が知りたかったこと。







「転校手続きとか、引っ越し手続きとか色々やること多くて」






一番知りたかったことは。






「なんでいつも…一人で抱え込もうとするの?」





「…」





「あんな急にいなくなられたら、誰だって宗平の後ろ姿探しちゃうよ」






宗平にとって私は、






「これは俺の問題だから、巻き込みたくない」






「もう十分巻き込まれてるよ!」






どんな存在なの?









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