永遠に叶えたい愛がある。
「あの時言ったよね?白岡の体育館に綾美さんが来たときに“巻き込んで悪かった”って。もう私、巻き込まれてるんだよ?」
巻き込んでくれて嬉しかった。
宗平の全てが見れているようで。
それなのに、宗平はまた封鎖しようとしていた。
「そう、だったな…」
想いが通じあったと思っていたんだ。
私の想いが届いてたと思っていたんだ。
「俺がちゃんとお前に言ってたら、こんなことにならなかったよな」
そうだよ、宗平。
勝手すぎるよ。
私たち、きっとこんな想いしなくてよかったんだよ。
「何を話しても言い訳になるけど」
「それでも良いから、話して」
私たちはちゃんとすべきことをしなければならなかった。
言わなくても伝えなくてもわかるなんて、そんなのありえない。
そんなの嘘っぱちだ。
だからすれ違いなんて言葉があるんだよ。
「綾美が倒れたんだ…」
「え?」
「学祭2日目の夜にな」
だから次の日に急遽実家に帰った。と宗平は付け加えた。
「今は入院してる」
そんな事情があったなんて。
私はただ呆然と話を聞くしかなかった。
あの夜、私たちは確かに幸せだったんだ。
月明かりの差す夜道を手を繋いで歩いて。
その先に待ってる闇がどんなものかなんて考えもせずに。