永遠に叶えたい愛がある。
「俺が全部俺が悪いんだ…」
宗平の苦しみは物差しでは図れないくらい大きくて、私の言葉なんかで救える気がしなかった。
よくもあんな簡単に話してなんて言えたものだ。
神様はなんで宗平にこんな苦しみを与えるのだろうか。
ただただ幸せになりたいだけのはずなのに。
「だから誰にも話せず手続きだけ進めてたんだ」
「…」
「引っ越しももう済んでて、夏休み明けから地元の高校に通う」
まだ少し先かと思っていた話が、突然にも進行した。
今まで傍にいた人が急にいなくなる。
驚きすぎて涙も出ない。
「私たちは…」
どうなるの?
喉元で引っ掛かって最後まで言葉が出ない。
「紗英…」
宗平の口から出た初めて私を呼ぶ声。
こんなにも愛しいのに、それも聞けなくなるだなんて。
「ちゃんとして絶対戻るから」
震える私の手を宗平が握る。
「うん…」
私もそっと握り返して、宗平を見つめた。