永遠に叶えたい愛がある。



「ほういえば、ほひゅう決定?」



屋台で買ったリンゴ飴を頬ばりながら尋ねた。



「補習?1教科だけ。でもそれだけなんて俺天才だろ?紗英は?」


得意気に勇人が言う。


私はその顔を見て少し口角をあげた。



「ふうん。ひゅごいね」



このあと私が言う言葉に勇人がどんな反応をするのか私は楽しみでしかない。



「だろ!俺もまじでびっくりしたわ。まあ平均したら赤点ギリギリなんだけどな」


1教科しかなかったのがそんなに嬉しかったのか、歩みが少し飛んでいるように感じる。



「私さー。補習ゼロなんだよね」


リンゴ飴を口から離して言った。


「は?まじ?」


勇人がさっきまでのスキップチックな歩みを止め、驚きの顔で勢いよく私の顔を見た。



「私、天才かもしれない」



だんだんと勇人の顔が崩れていく。



さっきまでの得意気な顔がもうすでに見当たらない。


「まじかよ。裏切者め」


勇人は口をへの字にすると「あーあ」と言いながら、今度はすり足気味に歩き始めた。



「早希がさ、テスト前に少し勉強教えてくれて」



実は、早希は私と違って学年の中でもかなり上位の成績だと思うくらい頭がいい。



いつもなんだかふわふわしているようだけれど、意外としっかりとしていて羨ましい部分である。



そんな親友にテスト前に少し勉強を教わった私はずるいやつかもしれない。



でもあんなことがあってから落ち込んでいた私を落ち込んでいる暇などないと引っ張り出してくれたのが早希だった。



本当に感謝しかないのだ。



「へえ。佐藤さん頭いいんだね」



興味を持ったのか、勇人が尋ねてきた。



「そうなの。普段あんなんだけど、私いっぱい色々と頼りにさせてもらってる」


だから早希に私も協力をしてあげたい。



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