永遠に叶えたい愛がある。
「ところでさ、紗英の男事情はどうなの?」
「え?」
前の席に座って振り向いたかと思うと早希は唐突な質問を投げ掛けてきた。
私の机に両ひじを付いてニヤニヤした顔を手に乗せている。
これは何か期待しているのだろうか。
「残念ながら、なんもないよ。バスケが友達でもあり、彼氏みたいなもんだったからね」
中学時代周りの子たちは恋の話とかしてたっけ。
一時は私も羨むときもあったけど、それよりも目の前のバスケに集中しなければならなくてそれどころではなかった。
「これからだよ、紗英かわいいもん。いっぱい話しようね」
私が可愛い?
「可愛いのは早希の方だよ。私なんて男の子みたいだし」
「え?紗英可愛いよ?たしかに今は男の子っぽく見えるけど、でも紗英は絶対女の子のアイテムが栄える!顔立ちすごいいいもん」
「そうかなあ?って女の子のアイテム…?」
今まで見た目を誉められたことなんて一度もない。
なんか不思議な感覚だ。
「そう、女の子アイテム!例えばね、お化粧だってそうだし、ヘアゴムとかマニキュアとか、女の子って自分を変えてくれる素敵なアイテムがいっぱいあるの」
そう言われてみると、早希の長い髪を結ってるヘアゴムも大きなリボンが付いている。
ナチュラルに施されているメイクも早希に合っていて、そのアイテムとやらがこんなに可愛く見せてくれているというのだろうか。
…自分を変える素敵アイテムか。
「私そういうの一個も持ってない…」