永遠に叶えたい愛がある。

夏のはじまり

「…でその観覧車がね、もうすごくて」



炎天下の中、さらに熱さ増してニコニコと話す早希の横に並んで歩く。



何度、汗拭きシートで拭っても汗ばんでいく体。



体内の水分が全て出てしまっているんではないかと思えるくらい今年の夏も暑い。




「夜景どころじゃなかったんじゃないの？」



夏休みも終盤、前から念願だった早希とのショッピングデートをやっと叶えることができた。



私の両手は女の子のアイテムがたくさん入った袋でいっぱい。




ワクワクのひとときだ。




「バレた？月の明かりに照らされる勇人くんの顔がまた素敵で…」



そう言いながら両手で顔を隠す早希。



可愛いんだから。




つい先日、早希と勇人が遊園地でデートをしたらしく、今日早希に会った瞬間からそのときの話を事細かく聞かされている。



いちいちその光景を想像してしまい、二人をよく知る私の方が照れ臭い。





夏祭りに行ったあの日以降、勇人はしっかりと早希と向かい合うために連絡を取ったみたいだった。



まだお互いに好きとか伝え合ったわけではなさそうだけれど。



それでも早希の姿を見れば、どういう状況なのか理解はできる。



「早希、よかったね。私まで幸せだわ」



心からそう思うよ。