永遠に叶えたい愛がある。
「…高校、銀賞」
次々と各高校の結果が響き渡り、その都度大きな歓声や拍手が沸き起こる。
ここにいる全ての高校生が喜びに浸ったり、または複雑な想いを抱いたりしている。
同年代の人たちのそれぞれ違った感情が入り乱る会場が、またなんとも言えない空気に化していた。
「くるよ…」
繋がれた手に一層力が込められる。
私以上に緊張しているだろう先輩の気持ちが伝わってきた。
初めてのコンクール、半年間頑張ってきた集大成が今から結果となって現れる。
「12番…県立北高校」
ぎゅっと目を瞑って下を向いた。
どうか。
お願いします。
先輩たちに花を飾って送り出してあげたい。
「…金賞」
ぐいっと勢いよく腕を引き上げられた。
先輩が立ち上がったからだ。
キャーーーーっと大きい声が周囲に沸き上がる。
何が何だかわからない。
唖然とは正にこのことだろうか。
「紗英、やったよやった!金賞だよーーーー!」
先輩が勢いよく抱きついてきた。
その衝撃でやっと理解できた脳みそ。
「や、やりましたね先輩!!」
「うん、本当に!」
先輩を見ると涙が頬を伝っていた。