永遠に叶えたい愛がある。
「あまり他人に話すことではないのですが…宗平から聞いていますよね?家のこと」
なんとも言えない空気に言葉が出ず、間を開けて私は小さく頷いた。
「ずっと兄妹で育ってきたのに…なんか大きくなってから心が通じ合わないというか、兄妹ってこんなものなのかな?って言葉じゃ難しいけど、私の中でずっと違和感があったんです」
視線を綾美さんの目から手元の冷めきったコーヒーに移した。
やっぱり、この話は避けて通れないのね。
できれば聞きたくないし話したくもないのに。
「あるときに宗平とは本当の兄妹じゃないって知って、それで一気に解放されたんです…ああ、だから違和感があったんだなって、私は宗平のことを恋愛として好きだったんだなって」
カップを握った両手が小さく小刻みに揺れてカタカタと音を立てる。
こんな話、本当に聞きたくない。
だから、耳を塞げない代わりに唇を強く噛んだ。
そうでもしないと、沸き上がってくる熱いものが溢れそうだった。