永遠に叶えたい愛がある。
365日の想い
「通ってくれてたんだな、ここ」
そう言いながら、ずっと会いたかった宗平が目の前に座った。
「な…んで…」
思いもしなかったことが起きて、理解が追いつかない。
ただただ涙が溢れてくる。
「君が宗平くんかい?」
おしぼりとお冷やを持ったマスターが再びやってきた。
「ご無沙汰しています。先日も紗英と来たんですが、声をかけずにすみません。マスターのこと覚えています」
新しいおしぼりで目を温めてしっかりと現実を見る。
そこには立ち上がり、マスターに会釈をする宗平がいた。
拭いたはずなのに、また涙が出てくる。
「そうか…とりあえずゆっくりして行ってね」
「はい」
カタンと椅子に座る音が聞こえた。
再びおしぼりを目に当てたが、宗平が実は幻なんじゃないかと思うと怖くて外せない。
「紗英」
でも私を呼ぶこの声は紛れもなく宗平で。
おしぼりを押さえる手を握って来た手の温もりも、大好きな人のもの。
「そうへ…い」
不本意に離れていったおしぼりの後に見えたのは、会いたくて仕方なかった宗平だった。
「いかにも」
そう言ってはにかんだ顔は最後に別れたときと変わらないものだった。