永遠に叶えたい愛がある。
「相変わらずだな、チクワ」
宗平がぐちゃぐちゃであろう私の顔を見て言った。
“チクワ”の響きに懐かしさを抱き、さらに涙が出る。
「…てよ~、そのアダ名」
あの頃はそう呼ばれるのが嫌だったな。
今思うと本当に嫌だったのかは自分でも定かではないけれど。
しかし、涙が止まらない。
次に会ったときは笑って会いたかったのに。
そもそもこんなはやく会えるとは思いもしていなかった。
会えるかもと思ってこの喫茶店に通っていたのは事実だけど、実際に会えるとは…
「あれからまだ1か月半も経ってないのか」
まもなく9月を迎える今日だけれど、冷たい雨が降っていたあの時期を懐かしく感じる。
ずいぶんと長い時間を過ごした気がした。
「元気だったか?」
おしぼりで口元を押さえて呼吸を整える。
「…うん。宗平は?」
声を発して大きく息を吸うと、やっとさっきと違うこの空気に慣れた。
「まあまあだな」