永遠に叶えたい愛がある。




授業開始の合図であるチャイムが鳴るまであと僅か1分ほど前に教室に到着した私。




空いている席は入り口側から2番目の一番前の席だ。




その席は勇人の隣の席にあたる。




ため息を軽くついて、私は席に腰かけた。



勇人とはお隣さんからの関係から抜け出せそうにない。





もともとはマンションのお隣さん同士だった勇人と私。




今はおじいちゃんが亡くなって、一人で住むことになったおばあちゃんのところへ勇人の一家は引っ越した。




といっても距離は100メートルもない。



私たちの関係は幼なじみから変わることはなかった。







腐れ縁なのかなんなのか、小中高と一緒に過ごしてきたわけだが、高校でも8クラスもあるのにお隣さんで。




なぜか顔を見ない日はない。




休日になればバスケがお休みのときは私の家にいる。



でもそれは私に会いに来るのではなく、私のお父さんの将棋の相手をしに。




これは昔から変わらない状況だ。




それが当たり前で、それがないことを想像すらしていない。




まあ、居心地はわるくないけれども。



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