永遠に叶えたい愛がある。
席に座ってしばらくすると、チャイムが鳴った。
退屈な生物の授業のスタート。
必死に眠気を抑えるために、先生をガン見。
生物の先生は化学の先生でもあるのだか、まるで実験で爆発してしまい髪の毛に被害を及ぼしたような髪型をしている。
それに加えて、顔半分も紫色のアザができていて、それを隠すように眼鏡をかけ、さらにうつむき加減の姿勢である。
その見た目で明るい性格の先生でもなく、無表情でどこか人間味がない、そんな感じ。
言ってはいけないがまるでホラーだ。
そんなことを考えているからか、授業の内容がまったく頭に入ってこない。
これ系の勉学は苦手で、物理か生物かの選択肢しかなかったために仕方なく生物を選んだばかりに後悔した。
まあたぶん物理を選んでも後悔していたと思うけど。
「なあ、なんで女バスの見学来てないんだ?」
メンデルの法則などと先生が黒板に板書を始めると、勇人がこっそりと声をかけてきた。
さては勇人も授業を聞いていないタチだな。
昔からお互い勉強だけはしてこなかったから、授業に対する姿勢も似ている。
お互いにテストの点数を見せ合ってはレベルの低い争いをしていたこともあった。
「あー、部活ね」
入学してから2週間が経ち、部活の見学機会もまもなく終わり、仮入部ないしは本入部となる。
バスケ部に入部をしないことは入学した時には決めていたことだから、もちろん見学には行っていない。
勇人には話しておくべきだったかな。
「私ね、ギター部入部しようかと思って」
勇人に相談もなく決めたこと今はじめて後悔したけど、私はさらに後悔することになる。
「はーーーー?俺聞いてねえよ!?」
ちゃぶ台をひっくり返す、正確には教室にある一般的な机だけど。
そんな勢いで勇人が叫んだ。
お忘れではないと思うけど、いくら先生が背を向けてるとは言え今は生物の授業中だ。
さらに言うと私たちは一番前に座っていて最も先生に近い位置にいる。
そもそも少人数授業だから教室が狭く、どこに座っていようが、さすがに今の状況は悪い。
むしろ最悪だ。
「勇人……声でかい」
ちらりと先生に視線を向けると、案の定顔をこちらに向けている。
表情はいつもの無表情。
それがなんといっても怖さを覚える。