永遠に叶えたい愛がある。
現在、生物の授業中。
なぜか廊下に出ました。
当たり前だけど他の教室でも講義は行われているため、廊下は静けさに返っている。
「で。どうして?」
私が後ろ手に教室のドアを締めた途端に勢いよく勇人が振り返った。
「あーうん。相談しなかった私が悪い」
いつもは天使のような可愛い顔が今は崩壊寸前で本気で怒らせているのがわかる。
「そうじゃない。なんでかって聞いてんだよ」
口調がとても穏やかではない。
そうさせているのは正に私で。
「そんなに俺って頼りないか?」
こんなこと言わせているのも、見たことないような悲しい顔をさせているのも私で。
「そんなことない!ただ私が…」
幼なじみである勇人とはどんなときも同じ空間を共にしてきた。
誰よりも信頼できる友だちであり、家族のような存在。
いつも傍にいて、誰よりも一番に私のことを知ってくれている。
それなのに私は最低だ。
自分のことしか考えてなかった。
「バスケに対する気持ちとか姿勢が変わったの…」
中学を卒業するあたりから、それまではバスケと一心同体で生きてきたはずなのに少しずつ距離を感じ始めた。
その溝を埋めようとすればするほど広がるばかりで、このまま進んだら分離してしまいそうな気がして。
はじめは悩んだし、もちろんいろいろな方法を考えた。
高校でバスケ部に入部しても付いていけるよに、自分の力を発揮できるように。
でもどうしても、ダメだった。
悪い夢も見るようになって限界を迎えそうになったとき、その考えを止めてみて
そうしたら一気に府に落ちた。
「私はバスケを重きに生きていけない」