永遠に叶えたい愛がある。
「はー」
鏡の向こうの自分を見て一息。
やっとむせ込みが治まった。
慌てて洗面所へ駆け込んで顔を洗い今に至る。
勇人ってば思い出さなくていいことを思い出して。
…って竹輪なんかで動揺した私がいけないのか。
なんか感付かれちゃったかな。
それにしても、いつになったらこの感情に慣れるんだろうか。
いつまでたっても思い出しただけでテンパってたら私変人だよ。
「うーーーー」
どうしたらこの胸のモヤモヤした?感じがなくなるんだ。
こんなの初めてでよくわからない。
こんな気持ち皆経験してるのかな。
明日早希に聞いてみよう。
「あ、やっと帰ってきた。大丈夫かよ」
爪楊枝を加えた勇人が心配そうに視線を向けた。
「あーうん、大丈夫」
落ち着け落ち着け。
ちらりと鍋を覗くとおでんがもう半分以下になっていた。
茶色い具材しか残っていない。
「はんぺんがない!!!!!」
私の大好物が見当たらなかった。
さっきまでは確かにあったはずなのに。
「紗英がのろましてるからいけないんだよ」
こいつは、本当にこいつというやつは。
「許せん!!!」
ニヤニヤした勇人を横目に私はつくねを頬張った。