永遠に叶えたい愛がある。
よくわからない気持ちだけど不思議といい気分を味わえたかと思っていたのに。
ただの女たらしなだけじゃないか。
「もう…!!」
私は枕をベッドに叩きつけた。
確かにあのときに感じた温かい気持ち。
もっと感じてみたかった、知ってみたかった。
それなのに。
よくわからなかった感情、それが何なのか判明する前に消えてしまいそうになっていた。
結局昨日はあまり眠れなかった。
プシューーーー
運転手さんに定期を見せながらバスから下りた。
あいつのせいで。くそう。
眠い目を擦りながら校門までの数メートルを歩く。
生徒たちの交わす挨拶が耳に届いてきた。
今日も一日が始まる。
「おはよ、ソウヘイ」
背後から聞き捨てならない名前が聞こえてきた。
今もっとも聞きたくない名前だ。
「はよ」
たぶんソウヘイであろう人が短く返事をした。
たった2文字の短い言葉なのに身震いした。
宗平だ。