永遠に叶えたい愛がある。
間違っても後ろを振り向いてはいけない。
私は足取りを速めた。
校舎にさえ入ってしまえば私の勝ち。
ってなんの勝負よ。
心の中で自分に突っ込みながら、校門をくぐろうと左折しようとした。
「紗英、おはよう!」
まさかのハプニング。
反対側から大きく手を振る雄先輩。
「…おはようございます」
正直今は誰にも見つかりたくなかった。
まあ仕方ない。
それでも私は足を止めずに校門をくぐった。
「宗平も、はよ」
!?
慌てて横にいる雄先輩を見ると体を反って私の後方に手を振っている。
「うーっす」
さっきよりも声を近くに感じた。
「チクワ、おはよ」
まさまさかとは思うが。
恐る恐る声のする左側を見た。
げーーーーー!
やっぱりいる、やつがいる!!!
「ぷっ、朝からスゲー顔」
目元を垂れさせ軽く吹き出すと、宗平は女の子に向かって言ってはならないことを口にした。
「なっ…!!」
昨日治めたはずの感情がまた沸々と沸き上がる。
「宗平ほんと紗英をからかうの楽しんでるよなー」
雄先輩がそんなことを呟いた。
からかってる!?
これはもうイジメじゃないですか?