永遠に叶えたい愛がある。
校門から正面玄関までの約50メートル。
この道のりがこんなに長く感じたのは初めてだ。
左右に2年の男子。
背の高い二人の間に10センチ以上も低い私が挟まれる。
見た目はボーイッシュかもしれない。
でも着ているのはスカートなわけで。
こういうときなぜか周りの目が気になる。
周りの人が見ているようで。
実際は見られてないんだろうけど。
いや、でも…なんか視線感じる。
やっぱり、なんでみんなこっち見てるのー!?
「チクワさー、なん…」
校舎に入りかかろうとした瞬間。
宗平の声が聞こえてきた。
「あの!!!いい加減、その“チクワ”ってやめてもらえませんか?」
なにかを言いかけていたのも気にせず、勢いよく遮る私。
いろいろなことで切羽詰まっていた。
だからたぶん声大きすぎた。
宗平の顔が驚いた顔をしている。
「俺気に入ってるからだーめ。また今度な」
にこやかにそう言うと宗平は背を向けて2年生の下駄箱へ向かった。
「なっ…」
完全にあいつのペースにやられている。
「紗英、許してやって」
「雄先輩まで…」
じゃ!と手を挙げて横にいた雄先輩も宗平の後を追った。