永遠に叶えたい愛がある。



日曜日。



厳しい冬もようやく明けて、数日前までは雪解け道だったところにも新しい芽吹きが見られるようになった。



空気も突き刺さるものから、少し穏やかに。



来週に卒業式を控えた今日は久しぶりに雄先輩とバスケットボール。






朝ごはんを食べて、身支度を済ます。




「髪、切らなきゃよかったな」




鏡越しの男の子である自分の姿を見て後悔した。



たしかに短いのは結ばなくて済むし楽だけど、やっぱり長い方が女の子らしい。



髪が短いと洋服選びも難しいし、親の指示に従ったのは失敗だったかもしれない。



なんとなくだけど、最近“女の子”であることを感じる。






「ま、こんなもんでいっか。バスケするんだし」





いつものジャージ姿に髪を少し整えて、履き慣れた靴を履く。




「いってきまーす」




いつもと変わらない日常。普段通りだった。




いつもの道を歩いて、いつもの風景を眺めて。








なのに、それなのに。










まさか、今日が私の今後の人生に大きく左右するなんて、たった15才の私には知るよしもなかった。




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