永遠に叶えたい愛がある。



第一会議室のドアを恐る恐る開ける。




目の前の教壇に眼鏡の人。




他は誰もいる様子はなく、どうやら委員会は終了していたみたいだ。





「えーっと、1年A組の千曲さん?と2年A組の谷岡くんね
。俺は委員長の2年F組の浅川です」




私に気づいたその人…委員長の浅川さんは教卓に置かれた紙を捲るとこちらを見た。




「あ、はい。すみませんでした…」




「中へ入って」




後ろを振り返って宗平がいるのを確認して足を進める。





「これが学祭までの今後のスケジュールと詳細」




とホッチキスで留められた資料を渡された。





「今日は担当決めしたんだけど、君たちは買い出しとキャンドルサービス係に決定しました」




なんの話か理解できず、慌てて紙を捲る。




「は?なんで2つも?買い出しとかめんどくせー」




背後から宗平の少し怒り気味の声が聞こえてきた。




どうやら宗平も今はじめて聞かされたらしい。





「君たちがいなかった間に決定したんだよ。キャンドルサービスの係りはかなり楽だから、それなら買い出しもお願いしようと」





キャンドルサービスが楽?
ならなぜにその係が余ったのだろうか。




「楽なわけないだろ。キャンドル何個並べんだよ?生徒の数以上だぞ」




さらに宗平の口調が強くなる。




その間に私はキャンドルサービスのページを捲り当てた。




ご丁寧に去年までの写真が載せてあるが、…これは大変そうだ。



学祭の終盤、体育館に生徒が作ったキャンドルを並べて灯をともす。




一見、たしかに楽そうに見えるが数が半端じゃない。




「まあ、満場一致で君たちに決まったので悪しからず」




委員長は私の肩をポンと叩くと廊下へと教室を後にした。







< 40 / 173 >

この作品をシェア

pagetop