永遠に叶えたい愛がある。
放課後。
やっとギター部へ入部届けを提出し、晴れてギター部への入部が決まった。
ギターを一本貸与してもらい、まずはギターの基本を部長から学ぶ。
ギター部の構成は3年生が20名、2年生も同じく20名、1年生が今のところ15名という部員数。
総勢55名で演奏することになるという。
私が借りたこのギターはアコースティックギターと言って様々なギターの中でもより古典的な楽器らしい。
6本の弦を操り音色を出す。
それも片手ではなく両手を使用するという、なんとも頭の体操になりそうな。
まったくもってギターと言うより、音楽を知らない初心者の私には入ってくる部長の言葉たちが新鮮でしょうがなかった。
何か新しいことを始めるというのはワクワクとかドキドキとかぶわっていう感情で溢れる。
宗平に感じるあの感情とはまた全く別物だけど。
とにかく早く弾いてみたい気持ちでいっぱいだった。
それからギターの弾き方、ドレミファソラシドまで教わり今日の部活は終了。
難しいけれど楽しくてあっという間に部活の時間が終わってしまった。
明日が早く来てほしい。
ギター部でできた他のクラスの友達とそんなことを話ながら下駄箱へ向かう。
夜7時、5月上旬だとまだ少し明るさがある夜。
他の部活動はまだ終わっていないのか、廊下には誰一人として生徒はいない。
静かだな。
そんな風に思ってた。
「わっ…え、びっくりしたー」
と、A組の下駄箱に到着するも否や足元に男女が座っていて驚いた。