永遠に叶えたい愛がある。




5月第三週目の金曜日。




ついに、その時は来た。








ブーブーっというバイブ音。





ブレザーからスマホを取り出す。




光る画面に宗平の名前が映し出されていた。





「ごめん、ちょっと電話出てくる」




早希に断りを入れて廊下に出る。




こんなにはやく来るとは。




一呼吸置いてから受話器のボタンを押した。




「もしもし」





《遅い》




この自己中ヤロー。一言目にそれかよ。





「すみません…なんですか?」




《放課後、買い出しリスト渡すから下駄箱に来い》




いちいち腹が立つ。



なんで命令なんですか。




「私部活あるから無理」




断る理由ができた。



これなら宗平も諦めてくれるだろう。







そんなことは安易でしかなかったことを私は知る。




《じゃあ今すぐ取りに来い》



と、ブチッと電話を切られた。




「はあ!?」




スマホ画面を思いっきり睨み付ける。




どこまで自己中なやつなんだ。




「本当に腹立つー!!」



そう言いながら教室に戻ると、驚いた顔で早希が見ていた。




「どうしたの?」




「ちょっと委員会の用に行ってくるね」




今の精神状態で早希の問いに答えられず、それだけ言い残して教室を出る。




歩きながら冷静を取り戻すと、自己中なのは私もかと反省。




早希に後で謝ろう。



   




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