永遠に叶えたい愛がある。
中学から感じていたが他の学年の階の廊下というのは何故か緊張する。
雰囲気もなんとなく違って、いてもたってもいられない気持ちになる。
はやく受け取って、戻ろう。
足早に2年A組に向かった。
「遅かったな」
教室に着く手前、廊下の窓に寄りかかっている宗平の姿が見えた。
むっと勝手に頬が膨らんだ。
何よ、偉そうに。
「リストちょうだい」
手を前に差し出す。
ちらっと横を見た宗平。
「?わっ…」
リストを受けとるはずの手が、宗平の手によって引っ張られた。
足が縺れる。
なんでこの前からこの状況。
「な、にすんのよ!」
手を振って精一杯の抵抗をしてみるが、敵うわけなくて。
「いいから」
宗平の後ろに付いて行くしかなかった。
しばらく歩いて引っ張られて連れてこられたのは、本館と別館を繋ぐ外通路だった。
「ほら、これ。発注はやっといたから」
買い出しのリストを手渡される。
「はあ、どうも」
なぜにここまでしなければならないのか。
さっぱり理解できない。
「悪い、呼び出した場所失敗したわ」
唐突に宗平が言った。
「どういうこと?」
「いや、大丈夫だとは思うけど、なんかあったら俺に言え」
「はあ?」
私の脳が弱いのか、本当に意味不明。
「ほら、髪乱れてる」
そう言って宗平の手が私の頭に乗った。
「わっ…」
こいつといるとなんか調子狂う。
さっきまで腹が立って仕方なかったのに、今一瞬で違う気持ちが身体中を支配した。
チラリと見上げると宗平が少し微笑んでいる。
この顔も初めて見た。
トクトクと鳴る心臓の音が外に漏れそうなくらい大きくなる。
何だか聞こえてしまいそうで私は慌てて宗平の手から頭を離した。
「だ、大丈夫だから」
胸のトクトク感が治まらない。
そんな私を一目見て、ふっと笑うと
「リスト読んでおけよ、また連絡するから」
そう言って宗平は背を向けると校舎の中へ消えていった。
またもや一気にいろいろと起きて整理がつかない。
宗平に関わると慌ただしくなる。
そしてトクトクと響くこの鼓動。
これが一体なにを示していると言うのか。
私はその答えをすぐ知ることとなる。