永遠に叶えたい愛がある。




放課後。




数回目のギター部の練習を終えて帰り道。




校舎から校門までの数メートルを歩いていた。






このところ、バスケ部の勇人と茶道部の早希が私を待っている(たぶん二人で話す口実だろうと疑っている)が、今日は定休だということで





なんか久しぶりに一人になった気分だった。






なのに。








「あの、ちょっといい?」




校門のところに数人の女子生徒がいるのは確認できていた。



近づくに連れて、その人たちが私を見ているような気がしていたのも。




「はい」




この学校実は学年ごとにネクタイの色が違って1年生は緑、2年生は赤、3年生は紺となっている。



この人たちのネクタイは赤色だ。








「この前からうっとうしいんだけど」



いきなり荒げた声で一人の人が言った。




その勢いに反射的に目をつむる。




この前から…?




目を開けてその人を見てみると見覚えのある顔だった。




「あ…宗平の…」




何日か前の朝、宗平の腕を組んでいた人。




「宗平?あんたみたいな子がなんで宗平といるのよ?」




なんかこんな場面少女漫画で読んだことある気がする。



まさか現実にあるなんて、思いもよらなかった。




「いやー、なんでと聞かれましても」




私だって関わりたくて関わっているわけでもないのに。




「もう近づくのやめてもらえる?」



「でも…」



「でもじゃない!!」



さっきよりも大きい声を出されて、私は思わず怯んだ。



宗平に関わるといいことなんてない。




「宗平はみんなにとって王子なの!抜け駆けなんて許さないから」




抜け駆け?なんの話だ。




だんだんと腹が立ってきた。







「なにやってん……」



「あの!!!なんの話かわかりませんが、あなたたちにとっては王子でも私にとってはただの一人の生徒なんです!」




誰か男の人の声が聞こえたと同時に、私は大きな声で反論した。



意味のわからない攻撃に私は負けるわけいかない。





「ぶっ…!!」





「そ、そう…へい…なんで」




女の顔を見ると私ではなく、男の人の声がした方へ顔を向けていた。





は?そうへい?





私も顔を向けると、そこには宗平がお腹を抱えて震えていた。








「やべー、腹いてえ」





そう言いながら宗平は私に近づく。





「あのさー、俺が誰といようとお前たちには関係ないよな?ましてやこいつに俺のことで何か言う権利お前たちにあんのか?」



私の頭の上に手をぼんと乗せ、女子生徒たちの方を向くとそう言い放った。




「あ、いや…」




宗平がどんな顔をしているのかわからないが、女子生徒たちの後退る姿を見ると容易に想像ができる。





「じゃ、そういうことで」





「わっ…」




そのまま私の頭を引き寄せて歩き始める宗平。




私はなんで毎度毎度こいつに引っ張られて歩かなければならないのだろうか。





















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