永遠に叶えたい愛がある。
なにこの人
「おー紗英、久しぶり。一瞬、誰かわからなかったよ」
グラウンドに到着すると、すでに雄先輩がバスケットコートの脇にあるベンチに座っていた。
最後に会ったのは私たちの追い出し試合に応援に来てくれたときだから、半年くらい前だ。
ちなみにうちの中学のバスケ部は弱小で、男女混合。
試合に勝てなくても、それでもみんな一生懸命で楽しい部活だった。
「雄先輩お久しぶりです。髪の毛切っちゃいましたからね、男の子みたいでしょ」
「だな。勇人より男の子みたいだな」
「ズキッ。いたた。雄先輩、言葉が胸に刺さった」
「そういうところも男ぽいって言われるんだぞ」
後ろから聞きなれた声が聞こえてきた。
ったく、この男は。
「女の子みたいな顔の勇人には言われたくありません~」
「あ、お前ひとが気にしてることを!」
べーっと舌を出してアホ面を勇人に向ける。
「お前ら相変わらずだなあ」
笑いながら雄先輩が言った。
「雄先輩は身長伸びましたね!」
半年前までは勇人とそれほど変わらないように思えた身長も、今では雄先輩の方が頭一個分大きい。
成長期ってすごい。
「そうなんだよなー、日に日に伸びてる気がするんだよ。なんかメキメキと。まだまだ伸びるぞ」
「いやいや、こわいって(笑)」
立ち上がり屈伸する雄先輩に勇人が突っ込む。
「お前もまだまだ伸びるよ」
「俺ももっと身長伸びてほしいっす」
それより顔だろうよ、勇人くん。
少しは男の子らしく…
声に出したら怒られそうで、心のなかで私は大きく突っ込んだ。