永遠に叶えたい愛がある。
校門を出たところでやっと宗平の手が頭から離れた。
何が起こっているのか状況が理解できない。
「雄の言ってた通りだわ」
宗平がぼそっと言った。
「?」
相変わらず理解のできない私に宗平は笑う。
「よくあるらしいんだわ。こういうの」
こういうのってさっきの状況のことを言うんだろうか。
「俺に関わった女の子たち、どうもみんなあーやって囲まれて言われるらしくて。そりゃよそよそしくもなるわな」
うんうんと頷きながら宗平は自分で納得している。
「さっき昼休みにお前を呼び出したときにあいつが見てたんだよ」
昼休みの出来事を思い出す。
「あーそれで」
宗平のあの行動はそんな意味があったんだ。
ただ振り回されてるだけじゃなくて、私を守るために。
「でも、俺の助けなんてお前に必要なかったな」
「え?」
「チクワ、つえー」
思い出したかのように宗平が吹き出す。
「やっぱお前みたいな女初めてだわ」
これは誉め言葉として受け取っていいのだろうか。
「ありがとう?助けに来てくれたんだよね」
もしあのとき宗平が来てなかったらどうなっていただろう。
私の態度にきっとあの人たちはいい反応は示さなかったと思う。
「お前に離れられたら俺困るもん」
その言葉にドキッとした。
それはどういう意味だろう。
「委員会の仕事、一人で背負わされたら大変だからな」
カチン。
私の今のドキッを返してほしい。
「大丈夫。ちゃんと与えられた仕事はこなします!!!」
やっぱりこいつ最低。
「ならよかった。明後日の日曜10時、白岡駅で待ち合わせな」
「え?」
「じゃあな」
バス停に着くとそう言って宗平は背中を向けた。
待ち合わせ?誰と?
宗平と?
またまた頭の中が混乱。
いろいろ考えているうちにバスが来て、とりあえず乗り込んだ。