永遠に叶えたい愛がある。
ーーーーーコンコン。
部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「紗英まだ起きてる?」
お母さんの声だ。
「うん、起きてる」
慌てて目尻を拭って、クローゼットのドアを閉め、それと同時にガチャっという音とともにドアの隙間からお母さんの顔が覗いた。
「入ってもいい?」
「どうぞ」
そっとドアの隙間から入ってくるお母さんの手にはなんやら紙袋が釣るさっている。
「?」
一体こんな時間になんだろうか。
お母さんの顔を見るとなにやらニコニコしている。
「はい、これ」
そう言いながら部屋の真ん中にあるローテーブルに紙袋を2つ置いた。
「なにこれ?」
「開けてみて」
相変わらずニコニコしているお母さんは何だか楽しそうだ。
不審に思いながらも、恐る恐る紙袋を開けてみた。
「えっ…これ」
そこにはいくつかの洋服が入っていた。
慌てて全部出してみる。
白のカラーパンツに何種類かのブラウス、薄手のカーディガン、それにパンプスまで。
「どうして…」
思わず涙が出そうになった。
見るに、すごく女の子らしくて可愛い洋服ばかりだ。
「遅くなったけど、高校入学のお祝い。こういうのそろそろ必要かなって」
「お母さん…」
こんな良いタイミングに現れるなんて。
「ありがとう!本当にありがとう…」
感謝しかなかった。