永遠に叶えたい愛がある。
いつも通りに家を出る間際に姿見で自身を確認する。
「よし」
もちろん昨日お母さんから貰った服を着た。
白いパンツに水色のブラウス、その上に黄色のカーディガン。
なんとも春らしく、高校生みたいに大人っぽい。
いや、高校生なんだけど。
まるで自分じゃないみたいな気がして姿見の前で左右に半回転して何度も確認した。
正直、高まる。
ジャージばかり着ていたせいで、自分でもすごく新鮮に感じた。
「あ、そうだ」
勉強机からピンクのお花を取り、前髪を耳にかけてそのクリップを止める。
早希からもらった宝物。
私を女の子だと気づかせる宝物。
それから、宗平に…
またもや思い出して体を熱くした。
私、今日大丈夫かな。
ちゃんと買い出しできるだろうか。
いや落ち着け私、これは学校の仕事だ。
ひとつ深呼吸して玄関に下りた。
お母さんから貰ったパンプスを履いて
「いってきます」
ニヤニヤとしながら影から覗くお母さんに向かって挨拶。
「あら、バレてた?って可愛いじゃない、似合う似合う。頑張って」
頑張ってって何を。
と思いながらも
「うん、ありがとう。行ってきます」
そう言って家を後にした。