永遠に叶えたい愛がある。



集合の時刻10時になると、ちらほら部活の同級生や後輩が現れた。



どうやら勇人が呼んでいたらしい。



これなら試合もできるだろう。



「そうだ、俺もさ紹介したいやついるんだよ。そろそろ来ると思うけど」



ストレッチをしていた雄先輩が突如言った。



紹介したい人?




「あ、噂をすれば。ほんとあいつルーズなんだよなあ」



私の背後に向かって雄先輩は手を挙げた。



立ち上がった雄先輩に連れて、私たちもストレッチを止めて立ち上がり振り返る。



「宗平(そうへい)おせーよ!」



その距離、100メートル。



なのに。なんだか。



80メートル。



少しずつ距離が縮まる、そのたびに。



なんだか。




50メートル。



上はグレーのパーカー、フードを被って。



下はジャージのハーフパンツ。



そこから伸びる足はなんだか。



長い。






30メートル。



ハーフパンツのポケットに両手入れて、宗平と呼ばれた人は気だるそうに歩いてくる。




3メートル。




ようやく、はっきりとした。




「え、でかい」




「紗英、声が漏れてる」




雄先輩の声に思わず手で口元を押さえた。




だってだって。




この人180センチくらいはある!






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