永遠に叶えたい愛がある。
「…くわ、聞いてるか?」
「…あ、え?ごめん」
いけないいけない。
また自分の世界に入ってしまっていた。
今はその初恋の相手が目の前にいるっていうのに、私ってば。
「ニヤニヤしたり難しい顔したり忙しいやつだな」
「そんな顔してないもん」
私はくるくるとフォークに巻いていたパスタを口に入れた。
現在、買い出しを一旦ストップしてランチタイム。
時間が経つと、数時間前の高まりすぎた気持ちも漸く落ち着いて今は平然を装って宗平を目の前にしている。
「ほんと面白いよな、おまえって」
なにを抜かすのだお主。
「面白いなんて、芸人みたいなことできないよ?私」
「そうじゃなくて。ぼーっとしてるかと思えば数人の女相手に強いし、委員会忘れてたみたいだけど遅刻はしないし」
「誉められてるんだか、貶されてるんだか」
口を尖らせながらアイスティの入ったグラスのストローを吸った。
「それに、案外可愛いし」
「ぶっ!!!」
そして吸ったばかりのアイスティを想いきり吹き出した。
「汚ねぇな」
「か、可愛いなんて言うから」
私は慌てて飛び散ったアイスティを拭く。
「服装だよ、服装!」
「だよね、わかってる。あーもう」
「あーもうってお前が勝手に吹いたんだぞ」
私ってば何を勘違いしたのか。
服が可愛いってこと重々承知なことなのに、
てっきり私が可愛いって言われたかと思ってしまった。
「ほんと面白いな」
また言いやがった。
なんか“面白い”って嬉しくない。
それなのになんだか心は踊っていた。