永遠に叶えたい愛がある。
あと100メートルも歩けば改札に着くところ。
普段スーツ姿の人々が行き交う駅前も、休日は私服の人々が多く街が色鮮やかに見える。
手を繋いで歩く親子やカップル、友達どうしであろう人たちの笑顔や話し声が広がり賑やかだ。
今まで気にしたこともなかったのに、その姿たちを見てなんだか温かい気持ちになった。
それはきっと、私の心が今とても穏やかである証拠。
たぶん、それはこの人、
谷岡宗平のせい。
毎日毎日、新しい気持ちをこの人は私に与えてくれる。
この人が存在するだけで、知らなかったことを教えてくれる。
私にとってきっとかけがえのない人になるーーーーー
「そう…へい……」
そう、宗平。
この人は私にとってかけがえのない…
「って、え?」
ハッとして足を止め声のする方へ顔を向けると、目の前に驚いた顔をした女性が立っていた。
「宗平…!」
今にも泣き出しそうな顔をしてその女性は走り出す。
その姿を目で追いかけると、私の少し後ろで同じく驚いた顔で佇んだ宗平に抱きついた。
「あや…み…」
宗平は相変わらず驚いた顔をしてその女性の名前らしきを呟く。
一体、何が起こっているのか私は全く理解できなかった。