永遠に叶えたい愛がある。
きっとこういうのが恋バナ、恋の話。
人生はじめての経験。
早希とお互いに好きな人について話し合って
なんだか心がぽかぽする。
ふわふわとまるで宙に浮いているような。
とても心地よくて、温かい。
いつからか感じ始めたものは「恋」に結び付く感情なのかもしれない。
「なんか紗英、見たことないくらいいい表情してるね」
登校してくる同級生の間を歩きながら教室へ戻る途中、早希がそんなことを言う。
「そうかなあ」
なんて言いながら自分の頬を触った。
「女の子にとって恋って女の子になるための要素だよね」
「?」
「好きな人のために可愛くなりたいとか、オシャレしたいとかさ」
早希は、ねっ!と付け加えた。
「そうかもしれない…。私、今までは本当に自分の見た目に全くと言っていいほど興味がないというか、どうでもよくて」
「うんうん」
「でも今は違う。オシャレもしたいし、可愛くなりたい…」
宗平に会ったときに恥ずかしくないように、可愛いって思ってもらえるように。
「なら、この前約束した買い物さっそく行こっか」
早希が横から小指を立てて腕をあげる。
「うん!」
その指に私の小指を絡めて大きく腕を振った。
これ以上ないくらいの笑顔を見せて。