永遠に叶えたい愛がある。




「じゃあな、授業サボるなよ~」




そう言って手を振りながら勇人が教室へ入って言った。




「バイバーイ」




隣で嬉しそうに手を振り返す早希。









「感情が駄々漏れですよ、早希さん」





「そ、そんなことないよ」




教室までの道のり、早希はパンパンと両頬を叩いた。





「あーもう、かっこいい…」




気になってるって言ってたけど、これはもはや好きなのではないだろうか。










「紗英!」




立ち止まり後ろを振り返ると教室と廊下の間の窓から乗り出した勇人の姿があった。







「伝え忘れてた。さっき宗平さんに会って、昼に外通路にって」




じゃ!と付け加えて姿を消す勇人。







「え…」



宗平からの伝言?








「あらあら、紗英さんも漏れてますよ」





早希が横から私を覗き込んできた。





「やられた…」





くそう、勇人め。




気が緩んでるときに。










一瞬で頭の中が宗平でいっぱいになってしまったじゃないか。






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