永遠に叶えたい愛がある。
「勇人と紗英は俺と宗平と練習な?」
ある程度みんなに指示したあと、雄先輩は私たちのもとへ来た。
「はーい」
それに付いて宗平さんも来る。
「…紗英って?」
被っていたフードをとりながら、宗平さんが発声した。
少し薄目の色素の髪がふわっと浮く。
太陽の光が髪に反射し、顔が暗く見えた。
「あ、紹介すんな。こっちが勇人。それからこの子が紗英。4月から北高だ」
雄先輩が手で示しながら宗平さんに私たちを紹介する。
ちらりと宗平さんを見上げると、見開いた目と目があった。
「え、女の子なんだ?」
カチン。
心のなかでそんな音がなった気がする。
いや、わかるけど、言いたいことはわかるけど。
「宗平それは言うな」
そうだよ、口に出すな!
「って雄先輩も失礼だから!」
わははと聞こえたかと思うと、隣で勇人が笑っていた。
たしかに、女の子には見えないかもだけど。
悔しい。
「ぶはっ」
真上から吹き出した声が聞こえた。
見上げると宗平さんが笑っていた。
「おー、めずらし」
雄先輩が呟く。
笑った宗平さんの顔は意外にもかっこよくて。
そんな風に思った自分にびっくりして。
「私は列記とした女の子です!!!」
思わず叫んだ。