永遠に叶えたい愛がある。




「キャーーーーーー」




急に前にいる女子生徒たちが一斉に黄色い声をあげた。





「え、なに!?」




その声に早希も立ち上がって下の様子を覗く。





「宗平くーん!!!!」




「がんばってーーーーー!」





私も立ち上がり下を見ると、ボールを手にした宗平の姿が見えた。




自然と顔が綻ぶ。





宗平だ。






「紗英、よかったね」




「うん!」





宗平もスタメンに選ばれているみたいだった。







それにしても、女子生徒の声援が半端ない。




全てと言っていいほどそれは宗平に向けられている様だ。





「谷岡先輩のこの人気ぶり…まるで芸能人だね」




なんて早希が言う。




それは女子生徒に目をつけられるわけだよな…




と内心ヒヤヒヤした。





「私とんでもない人を好きになっちゃったんだな」




「え?」





こんなにもたくさんの女の子たちから黄色い声を浴びるような人、私になんか釣り合うわけないのに。





「紗英、恋は自由だよ。誰が誰を好きになったって自由。誰かを好きになるって普通のことだよ」





早希の言葉に救われた。




私の人生にたまたま宗平が関わって、たまたま宗平のことを好きになった、ただそれだけのこと。





「そうだよね、ありがとう」




「さ、応援するよーーー!」







ピーーーーーーー





ホイッスルの音が体育館に響き渡る。






その音でバラけていた選手たちが中心に集まった。






いよいよ北高男子バスケット部のインターハイが始まる。







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